『鹿の王』 上・下 [本]
『鹿の王』
上・生き残った者
下・還って行く者
上橋菜穂子
久しぶりに大作を読んだ気がします。
初めは物語の設定の中になかなか入って行けず進みませんでした。
なぜなら、まず、名前がわかりずらい、似ている?
そして、国の位置的なイメージが湧かない。
想像力不足でしょうか、だいたい方向音痴なんです私は。
でも、入ってしまえばこちらのものです!
人の生死、病気、家族、祖国、そんなキーワードの中で書かれた物語です。
作者は3つのテーマからこの物語が生まれたと、あとがきに記しています。
1.人は自分の身体の内側で何が起きているかを知ることができない
2.人(あるいは生物)の身体は、細菌やらウィルスやらが、日々共生したり葛藤したりしている場所である
3.それって、社会にも似てるなぁ
※あとがきより引用
登場する色んな部族の思いや葛藤が、いつまでも心の中で共振し私の胸を締め付けます。
物語ラスト、読者に想像の余地を残してあるのですが、
これが私にはさらに先に広がる世界を見せて、作者にあっさりとおいて行かれてしまったような、
そんな感覚を覚えました。
とにかく読んでる間、素敵な体験をさせていただきました。
国際アンデルセン賞作家賞を受賞したというのも頷けます。
この本も図書館で借りたのですが、約200人待ちしたあげく
上下本が一気に手元にやってきたという、なんとも慌ただしい時間での読破。
急いで上巻を返却したので写真すら撮り忘れました、トホホ。
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